退職金の一部を暗号資産へ?50代が守るべき『資産の黄金比』
退職金というまとまった資金を手にすると、多くの人が
「これを減らさずに、かつ少しでも増やしたい」と考えます。
2024年に始まった新NISAは、その受け皿として最適です。
しかし、ビットコインをはじめとする暗号資産の爆発的な上昇を目の当たりにすると、
「少しだけなら……」
という気持ちが芽生えるのも自然なこと。
「新NISAで手堅く」という王道と、「暗号資産(仮想通貨)で一発逆転……いや、少しのスパイスを」という誘惑。
50代が守るべきは、「大火傷をしない範囲での冒険」です。
守りと攻めの理想的なバランスを探っていきましょう。
1. 50代の投資環境:20代とは「時間」が違う
まず、大前提として認識すべきは「時間の制約」です。
20代であれば、暗号資産が80%暴落しても、数年待つ、あるいは働きながら取り戻す時間が十分にあります。
しかし、50代にとって退職金は、老後の生活を支える貴重な原資。
-
新NISA: 非課税期間が無期限化され、長期・積立・分散投資に最適。
-
暗号資産: 変動率(ボラティリティ)が極めて高く、税制面でも「雑所得」として最大55%の課税対象になる可能性がある。
この特性の違いを理解した上で、ポートフォリオを構築する必要があります。
2. 提案:タイプ別「資産の黄金比」
退職金のうち、「運用に回せる余裕資金」を100とした場合の比率を提案します。
(※生活防衛資金は別途確保している前提です)
| タイプ | 新NISA(投資信託等) | 暗号資産 | コンセプト |
| 鉄壁守護型 | 97% | 3% | 暗号資産は「宝くじ」感覚。基本はオルカン等で運用。 |
| 標準バランス型 | 90% | 10% | 成長の恩恵も受けつつ、大勢に影響が出ない範囲。 |
| 積極追求型 | 80% | 20% | 資産を一段階押し上げたい。ただし暴落時の覚悟が必要。 |
なぜ「暗号資産は最大20%」なのか?
50代において、暗号資産が資産の3割を超えると、夜も眠れないほどのストレスになりかねません。
暗号資産は「もしゼロになっても、生活水準が変わらない範囲」にとどめるのが、メンタルヘルスを保つための黄金律です。
3. 新NISAを「コア」にする理由
新NISAの「つみたて投資枠」や「成長投資枠」で、全世界株式(オルカン)やS&P500といったインデックスファンドを主軸に据えましょう。
-
複利の効果: 60代、70代になっても運用を続けられるため、安定した成長が見込めます。
-
出口戦略の容易さ: 必要な分だけ少しずつ取り崩す際も、投資信託なら管理が楽です。
4. 暗号資産を「サテライト」にする際の心得
もし暗号資産をポートフォリオに組み込むなら、以下の3点を徹底してください。
-
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)に絞る:
いわゆる「草コイン」は50代の退職金運用にはギャンブルすぎます。時価総額が大きく、比較的信頼性の高い銘柄に限定しましょう。ただし、量子コンピュータ対策の面で有利と言われる QRL、MIOTA、ALGO、HTRあたりは考慮に入れてもいいでしょう。
-
一括購入しない:
退職金を一度に投入するのは禁物です。3ヶ月〜1年ほどかけて、時間分散(ドルコスト平均法)で購入してください。
-
「益出し」のルールを決める:
例えば「2倍になったら元本分だけ売却して、あとは放置」といった、欲に流されないルールが重要です。
5. 税金という「見えない落とし穴」
新NISAは利益に対して非課税です。
一方で、暗号資産の利益は他の所得と合算される総合課税(雑所得)。遠くない将来、分離課税が適用されると思われますが、それを加味しても非課税には及びません。
もし退職後に再雇用などで収入がある場合、暗号資産で大きな利益が出ると、翌年の住民税や国民健康保険料が跳ね上がるリスクがあります。
「額面の利益」ではなく「手残りの利益」で考える冷静さが、50代の投資には不可欠です。
まとめ:黄金比は「安心感」で決まる
50代の資産運用は、数字上の正解よりも「枕を高くして寝られるか」が重要です。
-
基本戦略: 新NISAで全世界の成長に乗りつつ、着実に資産を守る。
-
スパイス: 暗号資産は「資産の5〜10%」程度。増えたらラッキー、減っても人生に支障なし。
この「黄金比」をたたき台に、ご自身の家族構成や余暇の過ごし方に合わせた調整を行ってみてください。


コメント