過去5年間における日本でCOVID-19が与えた影響を大雑把にまとめました。
今回はそれを受けて、2025/2026シーズンのコロナワクチンを紹介します。極力フラットな目線で説明するつもりですが、一部わたくしの私見が入るかも知れません。疑問に思われる箇所がございましたらコメント欄でご指摘いただくか、ご自分でリサーチして客観的情報を入手してください。いずれのワクチンも、重症化予防という最も重要な目的を達成する上で有効な選択肢ではありますが、現在、すべての方々にとって、COVID-19ワクチンを接種すべきか?と問われると、そうではないケースも多々ございます。このブログ記事では、特定のコロナワクチン接種を推奨しているわけではないので、その点はご理解ください。
2025/2026年秋冬シーズン接種開始のCOVID-19ワクチン
2025/2026年秋冬シーズン接種開始のCOVID-19ワクチンは「コミナティ」「スパイクバックス」「ダイチロナ」「コスタイベ」「ヌバキソビット」の5種類あります。
| ワクチンの種類 | 製品名(販売名) | 製造会社・開発会社 | 
|---|---|---|
| mRNAワクチン | コミナティ | ファイザー社 / BioNTech社(開発) | 
| mRNAワクチン | スパイクバックス | モデルナ社 | 
| mRNAワクチン | ダイチロナ | 第一三共社 | 
| レプリコンワクチン (自己増幅型mRNA)  | 
コスタイベ | Meiji Seika ファルマ社 | 
| 組換えタンパクワクチン | ヌバキソビッド | 武田薬品工業社(ノババックス社から技術供与) | 
現在、高齢者や基礎疾患がある一部の方を除く方々にとって、COVID-19ウイルスは生命を脅かす危険なウイルスではなくなっています。
すっきりと理解するために、いくつかのファクターに分けて説明します。
①「重症化リスクの低下」
COVID-19に感染し、重症化するのを防ぐ効果がどの程度あるか。差はあるか?
これについての答えは「どのワクチンも高い重症化予防効果がある」です。
いずれのワクチンも、最新の流行株(LP.8.1、XECなど)に対応しており、重症化や入院を防ぐ効果は非常に高いことが確認されています。この点において、種類による大きな差はありません。特に高齢者や基礎疾患を持つ方にとって、重症化を防ぐことが最も重要な目的となるため、どのワクチンを選んでもその効果は期待できます。特にmRNAワクチン(コミナティ、スパイクバックス、ダイチロナ)は、接種後の速やかな免疫応答の誘導が臨床試験で確認されています。
②「感染予防」
ワクチン接種による感染予防効果は、接種後数か月の間は比較的高いものの、時間とともに低下していくことがわかっています。これは、ウイルスが常に変異を繰り返し、ワクチンの効果をすり抜ける能力(免疫逃避)を獲得していくためです。どの種類のワクチンも、重症化予防効果に比べて感染予防効果の持続は短いため、厚生労働省は、重症化予防効果の維持のため、流行期に入る前の接種を呼びかけています。ワクチン間の差はあまりなさそうです。
③「効果持続期間」
感染・発症予防効果は一般的に接種後数ヶ月(4〜6ヶ月程度)で徐々に低下していく傾向が示されています。それに対して、重症化リスクを軽減する効果は、数か月から1年あるとされています。自己増殖型mRNAワクチン(コスタイベ)は、その作用機序から、従来のワクチンに比べ、抗体価の持続期間が長いとする初期データがあります。しかし、実際の予防効果の持続期間については、現時点ではまだ確立されていません(添付文書参照)。
④「副反応の強弱」
ヌバキソビッド は、全身性の副反応の報告頻度が、mRNAワクチンと比較して低かったとする臨床試験データがあります。
⑤「その他」
唯一、日本で開発・製造されたダイチロナは、今年度は供給量が少ないため、これを置いている医療機関は少ないはずです。

        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
        
  
  
  
  
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