オペレーション・エピック・フューリーとBTC:1000万円割れの「真犯人」を追う
2026年2月28日、世界は凍りつきました。アメリカとイスラエルによる共同軍事作戦「オペレーション・エピック・フューリー」の決行。イランの最高指導者が殺害されたという報に、中東情勢のみならず、世界の金融市場に巨大な衝撃がはしりました。
ビットコイン(BTC)も例外ではなく、直後に1,000万円の大台を割り込みました。多くのメディアは「第3次世界大戦への懸念がリスク資産を直撃した」と報じています。しかし、果たして本当にこの軍事作戦が、ビットコインを1,000万円未満に引きずり下ろした直接の主因なのでしょうか。
私は、そうは考えていません。
1. 市場はすでに「10日間の警告」を織り込んでいた
今回の作戦は、突発的な事故ではありませんでした。トランプ大統領は作戦決行の数日前から、テヘランに対して「10日間の期限」を突きつけ、従わなければ「大変なことが起きる」と明確に警告していました。
マーケットの格言に「噂で買って事実で売る」がありますが、ビットコインのような敏感な市場において、このレベルの地政学的緊張は事前に織り込まれるものです。1,000万円という心理的節目を前に、賢明な投資家はすでに数日前からリスクオフのポジションを取っており、実際の攻撃開始は「確認作業」に過ぎなかったと言えます。
2. 1,000万円という「鋼鉄の壁」による自壊
ビットコインにとって1,000万円は、単なる数字以上の意味を持つ「鋼鉄の壁」でした。ここ数週間、何度もこのラインを試しては押し返される展開が続いており、市場には強い「天井感」が漂っていました。
つまり、「何かきっかけがあれば崩れる」準備が整っていたのです。仮に軍事衝突がなかったとしても、マクロ経済指標の発表やわずかな流動性の低下だけで、この過熱した相場は1,000万円を割り込んでいた可能性が極めて高いと考えられます。エピック・フューリーは、倒れかかっていたドミノの最後の一枚を、少し強く押したに過ぎないのです。
3. 「有事の金」としての機能不全ではなく「現金化」の波
ビットコインはしばしば「デジタル・ゴールド」と呼ばれます。
本来なら有事の際に買われるはずですが、今回のように世界規模の戦乱が現実味を帯びる極限状態では、投資家はまず「あらゆる資産を売って米ドル(現金)を作る」という行動に出ます。
これはビットコインの価値が否定されたからではなく、金融市場全体の強制的なキャッシュ化(マージンコールへの対応など)に巻き込まれた結果です。
BTC特有の要因ではなく、市場全体のパニックに伴う「連れ安」が、1,000万円割れという結果を招いたと考えます。
結論:嵐の後に見える「ビットコインの真価」
オペレーション・エピック・フューリーは、確かに引き金の一つにはなりました。
しかし、1,000万円という大台を割り込んだ真の原因は、市場の過熱感、事前のリスク織り込み、そして全体的な流動性の枯渇にあります。
歴史を振り返れば、地政学的リスクによる急落は、往々にして絶好の買い場を提供してきました。
「戦争で下落した」という表層的なニュースに惑わされず、その裏側にある需給の構造を見極めることが、いつの時代も投資家に求められている資質なのかも知れません。


コメント